発明の日

今日は発明の日です。1885年4月18日に専売特許条例が公布されたことから、この日を発明の日としたとのことです。
そして、特許制度が日本で始まってから100周年の1985年に、特許庁が日本の歴史的発明家10名を十大発明家として選びました。庁舎1Fのロビーにそれら発明家のレリーフが飾ってあります。
ところで来年は、この専売特許条例公布100周年から40年になります。この間も技術はとめどなく発展し続け、それに伴い数々の歴史的発明がなされています。そろそろ+αの発明家を選んでもいい時期なのではないでしょうか。

非公開特許制度、どこまでを非公開?

先日、経済安全保障推進法(令和4年法律第43号)に基づいて、特許を非公開にできる技術分野の25分野が有識者会議で示されました。
本来、日本の特許出願は一律に公開されます。これは、特許権者に独占使用権を一定期間与えることに対して、出願された発明を公開して、第三者による改良技術開発を促進することや研究開発重複を回避できることのメリットとで、バランスをとっているからです。ところが今回の特許を非公開とする制度は、この原則に反します。
確かに他国の安全を脅かす兵器を開発している国々は存在し(それは一方向からとは限りませんが)、公開された特許技術がその開発のために利用されるのは大きな問題です。特許が特許法の目的である産業の発達に寄与するものではなくなってしまいます。したがって、兵器開発に利用できる技術を含んだ特許を非公開にすることは、致し方ないのかもしれません。
ただ、どこまでを該当特許とするのかの判断が難しいのではないのでしょうか。絞りすぎると利用できる技術が知られてしまいますし、拡大解釈は産業の発達の弊害となり得ます。特許非公開制度、いろいろな課題が出てくるような気がします。

特許取得件数は技術力の証

29年間首位であったIBMを抜いてサムスン電子が、2022年の米国特許取得件数で首位となったとの発表がありました。因みに国内の特許取得件数は、トヨタ自動車・三菱電機・キャノンがトップ3のようです。特許は、技術発展に大きく寄与する基本特許、他社を牽制する防衛特許など千差万別ありますが、数千件の特許を取得できる企業に技術力と資金力があるのは間違いないでしょう。

続々・長いトイレットペーパー

ドラッグストアで5倍巻き250mという丸富製紙製のイレットペーパーを見つけました。日本製紙クレシアの3倍巻きや大王製紙3.2倍巻きのトイレットペーパーが、それぞれ75mや80mなので、それらよりもかなり長尺になっています。大きな違いは、日本製紙クレシアや大王製紙のトイレットペーパーは2プライ(2枚重ね)で丸富製紙のトイレットペーパーは1プライ(1枚)という点です。ただ、単に2枚重ねを1枚として厚みを半分にしただけでは、単純計算で150~160mにしかなりません。250mとするには、別の工夫があるはずです。丸富製紙のHPには、特願2020ー27186(特開2021ー129824)を出願したとありますので、特許を閲覧すればどんな技術が盛り込まれているかがわかるかもしれません。

続・長いトイレットペーパー

トイレットペーパーの特許侵害訴訟に関する記事が、10月31日付の日刊工業新聞に掲載されていました。本訴訟に関連する特許として、特許第6590596号、第6186483号、第6735251号の3件が記載されています。このなかで、特許第6186483号の出願日は2016年10月13日と、日本製紙クレシアが3倍巻きを発売した2016年4月よりも後の出願です。ということは、新規性喪失の例外規定の適用?いやいや、この特許は自社製品には使われず、大王製紙の製品に使われてしまったということかもしれませんね。

長いトイレットペーパー

先日、日本製紙が大王製紙に対して特許侵害の訴訟を起こしました。日本製紙が開発して特許化した、トイレットペーパーを長く巻くための技術をまねしたと言われているようです。日本製紙の特許には、どのような技術が示されているのか。特許公報をみてみましょう。

発明の種

発明は、突然ひらめいて出来上がるということは殆どありません。いつもと何か違う時、なんとなく違和感を覚える時、間違えたことをして予想と違う結果になってしまった時、そこに発明の種が埋まっていることが多いのです。